システム管理ツール
ID管理ツールを選ぶ前に整理すること
Microsoft Entra IDとKeycloakを例に、利用者、アプリケーション、認証方式を管理するための判断軸を整理します。
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更新日
執筆:KS2編集部
- ID管理
- Microsoft Entra ID
- Keycloak
この記事で確認すること
- 01
人、端末、アプリケーションごとにIDの対象を分ける
- 02
認証と権限付与の責任者を決める
- 03
入社、異動、退職時の変更を運用に組み込む
- 1
対象となるIDを棚卸しする
- 2
認証と権限の方式を決める
- 3
ライフサイクルを運用する
ID管理は、利用者がどのサービスへアクセスできるかを管理する仕組みです。 アカウントを発行する作業だけでなく、認証方法、権限、異動や退職時の削除までを一続きで扱います。
二つの選択肢の位置付け
| ツール | 主な位置付け | 導入前に確認すること |
|---|---|---|
| Microsoft Entra ID | クラウドのID管理とアプリケーションへのアクセス制御 | 利用中のMicrosoftサービス、接続するSaaS、ライセンス、既存ディレクトリとの関係 |
| Keycloak | 自組織で運用するオープンソースのID・アクセス管理 | 実行環境、更新、バックアップ、障害対応、接続するアプリケーションの方式 |
Microsoft Entra IDは、ユーザーとグループ、認証方法、役割、アプリケーションへのアクセスを管理する機能を提供します。 Keycloakは、認証と認可の機能を自組織の環境で運用したい場合に検討対象になります。
この違いは、機能表だけでは判断できません。 ID基盤を誰が更新し、障害時に誰が復旧し、どのアプリケーションと連携するかまで決める必要があります。
比較する観点
| 観点 | Microsoft Entra ID | Keycloak |
|---|---|---|
| 強み | MicrosoftのクラウドサービスやSaaSとの連携を前提に、IDとアクセスを集中管理しやすい | 実行環境と認証の構成を自組織で管理でき、独自アプリケーションとの連携を設計しやすい |
| 注意点 | 利用する機能とライセンス、既存環境との連携を確認する必要がある | 実行環境、更新、監視、バックアップ、障害対応を自組織で担う必要がある |
| 向く状況 | Microsoft 365やAzureを中心に利用し、クラウドサービスへのアクセス管理を整えたい場合 | 自組織で認証基盤を運用し、接続するアプリケーションや認証画面を細かく管理したい場合 |
Microsoft Entra IDは、Microsoftサービスを利用する組織で、IDとアプリケーションへのアクセスを一元化したい場合の第一候補になります。 Keycloakは、認証基盤を自組織で管理できる体制があり、既存アプリケーションとの連携方式を自ら設計したい場合に検討します。
選定前に確認する運用
- 入社、異動、退職時にアカウントと権限を変更する担当
- 多要素認証やパスワード再設定の問い合わせ先
- 管理者権限を付与、見直し、削除する手順
- 接続するSaaSや業務アプリケーションの一覧
ID管理ツールは、全てのアプリケーションを一度に統合するためだけのものではありません。 優先する業務と利用者から始め、変更の手順が定着してから対象を広げます。