本文へ移動
KS²

ITポリシー

情報システム利用規程を導入する計画の立て方

ドラフト、関係者レビュー、承認、周知、運用開始をつなげ、規程を現場へ定着させる計画を説明します。

公開日

更新日

この記事で確認すること

  • 01

    文書の作成と運用準備を並行して進める

  • 02

    関係者レビューで現場との矛盾を見つける

  • 03

    開始日までに申請先、連絡先、教育を用意する

進め方の流れ
  1. 1

    利用状況を棚卸しする

  2. 2

    ドラフトをレビューする

  3. 3

    承認後に運用を始める

規程は、承認された日から自動的に運用されるものではありません。 現場の業務で守れる内容にし、必要な設定や申請手順を用意してから開始日を決めます。

導入計画では、文書の作成と運用の準備を別の作業として管理します。 文書だけ先に承認すると、利用者が従うための仕組みがない状態になりやすいためです。

8週間のモデル計画

次の計画は、既存の利用状況を確認してから全社導入する場合の一例です。 実際の期間は、対象システムの数、関係部門、承認手続、設定変更の規模によって変わります。

マイルストーン到達条件目安
対象と責任者の確定対象業務、対象システム、承認者を合意する第1週
利用状況の棚卸し情報資産、利用者、外部サービス、委託先を確認する第1〜2週
ドラフト作成適用範囲、役割、利用者の守る事項、例外手順を文書化する第3〜4週
関係者レビュー現場の業務との矛盾、実施できない要求、申請先を確認する第5週
導入準備の完了申請手順、連絡先、設定変更、教育資料を用意する第6〜7週
承認と運用開始承認記録を残し、対象者へ周知して運用を始める第8週
情報システム利用規程を導入する8週間のモデルガントチャート
工程 1週 2週 3週 4週 5週 6週 7週 8週
対象と責任者の確定 実施
利用状況の棚卸し 実施 実施
ドラフト作成 実施 実施
関係者レビュー 実施
導入準備 実施 実施
承認と運用開始 実施

この順序では、ドラフト作成と同時に現場の実態を確認します。 文書を完成させてから初めて運用担当へ渡すと、承認後に手順や設定を作り直すことになりやすいためです。

ドラフトは棚卸しの結果から作る

最初のドラフトには、目的、適用範囲、役割、利用者の守る事項、例外の扱い、違反や異常を見つけた場合の連絡を入れます。 棚卸しで確認したサービスと業務を使い、実態にない要求は書かないようにします。

たとえば、クラウドサービスの利用を承認制にするなら、申請先、確認する項目、承認者、記録する場所を同時に決めます。 規程が「承認を得る」と定めても、その窓口と判断基準がなければ現場は運用できません。

関係者レビューで運用との差を見つける

経営層、情報システム担当、主要な業務部門、必要に応じて人事や法務の確認を受けます。 全員に自由な意見を求めるだけでは論点が散らばるため、各部門に影響する作業、守れない条件、既存手順との矛盾を確認します。

社内で「パブリックコメント」と呼ぶ工程を設ける場合も、対象者、期限、意見の扱いを決めます。 意見を採用しなかった理由まで公開するかは、組織の運用に合わせて決める事項です。

承認前に運用開始の条件を確認する

承認の前後で、次の状態を確認します。

  • 規程の責任者と改定の承認者が決まっている
  • アカウント、端末、クラウド利用などの申請先が利用者に示されている
  • 異常時の連絡先と初動手順が確認できる
  • 既存の契約、就業規則、委託先との取り決めと矛盾していない
  • 開始日までに必要な設定変更と教育を終えられる

導入日は、全社一斉にする方法だけではありません。 影響の大きいシステムや部門を先に対象にして、申請や問い合わせの流れを確認してから広げる方法もあります。 ただし、対象外の部門と期間を明記しなければ、ルールの空白が生まれます。

参考文献

Related articles